フィボナッチ数列 とは?
フィボナッチ数列 とは、イタリアの数学者フィボナッチが発見した数列のことである。FXの世界とは程遠い話に見えるが、将来の相場予測において非常に有効活用できるので是非覚えてほしい分析手法の一つである。
数学的にフィボナッチ数列を解説すると、以下の数式で表される数列となる。
- F0=0, F1=1
- Fn+2=Fn+Fn+1(n≧0)
いや、何を言うとるかわからん!!
と思ったあなた、ちょっとお待ちを!これをわかりやすくかみ砕いてみよう。
FはFibonacci(フィボナッチ)のFで、nは適当な数字が入るくらいの理解があれば大丈夫。F0=0というのはフィボナッチ数列における0番目の数字が0、 F1=1というのはフィボナッチ数列における1番目の数字が1ということ。次にFn+2=Fn+Fn+1を見てみよう。nには適当な数字(自然数)を入れればいいので例えばn=0を代入してみよう。そうすると以下の式が得られる。
F2=F0+F1
F0は0であり、F1は1だったね。つまりF2は1になるのだ。そしたら次にn=1を代入してみよう。そうすると以下の式が得られる。
F3=F1+F2
F1は1、F2も1なのでF3は1+1で2になるね。これをF0から並べていくと、0,1,1,2,…となり、さらにn=2,3,4…と代入していくと以下のフィボナッチ数列が得られる。
0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377, 610, 987, 1597, …
上の数列がフィボナッチ数列だ。どの数字も前2つの数字を足した数になっているのがわかるだろう(8であれば前2つの3と5を足した数、144であれば前2つの55と89を足した数になります)。
自然界のつながりとフィボナッチ数列
少し相場と離れるが立派な教養なのでしっかり勉強しておこう。先ほどフィボナッチはウサギの繁殖する数からフィボナッチ数列を見出しているが、実は自然界におけるフィボナッチ数列の影響範囲はウサギの繁殖だけではない。主に以下の現象にフィボナッチ数列が絡んでいる。
- 木の枝分かれ
- 肝臓の血管の枝分かれ
- 花びらの枚数
- マツぼっくりのうろこ模様の列数
- ひまわりの種の列数

さらにフィボナッチ数列から生み出された最大の芸術が「螺旋」である。螺旋と聞いて思い当たる人も多いかもしれないないが、人類のみならず万物の生命を構成するDNAも螺旋構造を有している。
フィボナッチ数列は前述したとおりだが、それぞれのフィボナッチ数列を1辺の長さとした正方形を並べてみよう。その正方形の辺を半径とした円を描くと見事な螺旋が形成されるのである。

さらに、フィボナッチ数列を加工してできあがるのが黄金比である。黄金比という言葉自体を聞いたことがある人は多いだろう。黄金比は人間が最も美しいと感じる比率のことであり、人間の顔のバランスや、エジプトのピラミッド、パルテノン神殿の構造などにも応用されている。
黄金比は縦:横=1:1.6と言われているが、フィボナッチ数列の隣り合う数字の火を見てみましょう。
- 3:5=1:1.666…
- 5:8=1:1.6
- 8:13=1:1.625
- 13:21=1.615…
フィボナッチ数列では黄金比とほぼ同じ比率になっていることがわかるだろう。この黄金比で形作られた螺旋を黄金螺旋と言い、クレジットカードや芸術、ひいては企業ロゴ等幅広く使用されているのである。

今まで説明してきたように、フィボナッチ数列は人間が潜在的に美しいと感じる比率であり、日常生活でも幅広く活用されているわけであるが、投資の世界も例外ではないのである。
つまり相場にも人間は美しさを求め、その結果、相場もフィボナッチ数列に則った動きを見せることが多く、大変興味深い現象である。
次にフィボナッチ数列と相場の関係を解説していくが、フィボナッチの重要性についてはよく理解してもらえたかと思う。では早速、フィボナッチ数列を活用した相場の予測について解説していこう。
フィボナッチ数列 とFX
フィボナッチ数列を活用した相場分析はれっきとしたテクニカル分析の一つであり、多くのFXトレーダーが使っている。業界ではフィボナッチトレースメントと呼ばれ、トレンド発生時にどこまで相場がトレースメント(引き戻る、引き返す)するかを予測するのに用いる。
相場に強いトレンドが発生した時、多くの場合は一直線上に動くわけではなく少し戻す動きを繰り返しながら推移していくことがほとんどである。上昇トレンドにおいては押し目のタイミング、下降トレンドにおいては一時的な戻りの目標価格をフィボナッチ数列を活用し予測していくものである。
まずはフィボナッチリトレースメントを活用する際に知っておくべき比率を記載しておこう。強いトレンド時に用いる比率は38.2%、弱いトレンドの場合は50.0%もしくは61.8%のトレースメントが起きるということだけ覚えてほしい。では早速、実際の相場を見て予測してみよう。
トレンドとフィボナッチ数列
今回は上昇トレンド時におけるフィボナッチトレースメントを考えてみよう。上昇トレンドにおけるフィボナッチトレースメントは、どこまで相場が一時的に下がるかを予測する際に用いる。

図4は2021年2月13日時点のドル円相場である。図の中心当たり17:15から強い上昇トレンドが発生している。この時1ドル104.59円だったが、1ドル104.76円まで上昇している。この上昇トレンドの差は104.76円ー104.59円=0.17円となる。この0.17円にそれぞれのフィボナッチトレースメントの比率をかけると以下の数値が得られる。
- 104.76円ー(0.17円×38.2%)=104.69円(青線)
- 104.76円ー(0.17円×50.0%)=104.67円(黄線)
- 104.76円ー(0.17円×61.8%)=104.65円(赤線)
実際の相場を見てみると、104.76円から最初のトレースメントが起こり、①の104.69円付近まで下降していることがわかるだろう。そこから少し上昇を見せるが次第に、②の104.67円まで下降を続ける。さらに22:15くらいには③の104.65円まで下がり、ここを底として再度上昇トレンドが発生しているのである。
このようにあるトレンドが発生すると、そのトレンドを押さえようとする現象が働きトレースメントが起こる。トレースメント自体は大きな動きではないが、このトレースメントがどこに落ち着くのか見当がつけば最適なポジションを築くことができる。このフィボナッチ数列を用いてどのようなポジションをセットするかは投資家次第ではあるが、利確やロスカットの基準として活用できることは間違いないだろう。
まとめ
いかがだっただろうか。自然界から見つかった法則が建築物やアート、そして投資の世界にまで応用できるとは何とも不思議である。何度も言うが相場を制するためには、ある特定の分野の知識だけでなく、幅広い領域の知識をフルに活用する必要がある。投資はそれほどまでに難しいものであることを認識した上で、引き続き投資家人生を歩んでほしい。
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なんとも不思議な数列じゃな。実はこの数列を見出したフィボナッチさんじゃが、ウサギの繁殖する数(自然界の法則)から見出した数列なのじゃ。自然界や人類の神秘に深く関わりのある数列なので、小休憩として少し寄り道しようかの。