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テクニカル分析 とは
テクニカル分析 とは、過去の値動きから昇降トレンドやパターンなどを把握して、今後の株価や為替動向を予想するための分析手法のことじゃ。チャートは取引の結果として構成されたものにすぎず、過去と似たパターンが出現すれば将来も同じようなパターンになる可能性が高いと予測することができる。過去の推移と全く同じ推移になるというわけではないが、統計学的に今後の推移が予想できるため、経験のない初心者が投資を始める際は、過去のデータを頼りに相場感を知ることが重要なのじゃ!
テクニカル分析には幾つかの指標が存在する。複数のテクニカル分析をかけわせることで、より予測を確実なものにできるため、重要な指標についてはマスターしておきたいところじゃ。今回は多くの投資家が活用している使えるテクニカル分析の手法を抜粋し以下に記載した。ここに記載している指標については最低限覚えておこう。分析といっても難しい数式を解いたりするわけではないので安心してくれたまえ!
- 移動平均線
- RSI(Relative Strength Index)
- MACD(Motion Average Convergence/Divergence Trading Method)
- 一目均衡表
- ボリンジャーバンド
おすすめテクニカル分析①:移動平均線
移動平均線とは一定期間における価格の平均値を表しており、非常に理解しやすく使える指標だ。まずは、この移動平均線をマスターすることが、テクニカル分析の第一歩と言えよう。
移動平均線は3つの種類からなり、①単純移動平均線(SMA)、②加重移動平均戦(WMA)、③指数平滑移動線(EMA)がある。通常は①単純移動平均線を使うことが多いので、口座を開設したらこの指標を設定してみるといいだろう。

例としてUSD/JPYの推移について図1を用いて説明しよう(赤い棒が上昇(円安)、青い棒は下降(円高)を表している)。早速移動平均線を用いて、円安になるか円高を予測してみよう。

まず前提知識として、緑色の曲線を短期線(5日線)、橙色の曲線を中期線(13日線)と呼ぶ。この2つの曲線の関係を見るだけで、円安になるか円高になるかを予測することができたらすごくないだろか?それができるのじゃ。
移動平均線を用いた分析手法として最も有名なのが、ゴールデンクロスとデッドクロスだろう。非常に使える分析手法の一つでもあるので、最低限これだけは覚えておいてほしい。
ゴールデンクロスとは、短期線が中期線を上に突き抜ける動きをした時を差し、相場が上向きになることを示すため”買い”のサインとなるんじゃ。図1の赤丸で示した箇所がゴールデンクロスに該当する箇所である。実際の相場の一部を切り取っているが、ゴールデンクロスが発生した後は相場が上昇していることが見て取れるだろう。
一方でゴールデンクロスの逆指標としてデッドクロスがある。デッドクロスはゴールデンクロスとは反対に、短期線が中期線を下に突き抜ける動きをした時を差し、相場が下向きになることを示すため”売り”のサインとなる。図1の青丸で示した箇所がデッドクロスであるが、相場が下がっていることがわかるだろう。
このようにテクニカル分析を用いて、相場の大まかな昇降を予測することができる。この調子で、ワシがおすすめするテクニカル分析をどんどん身に付けていこう。
おすすめテクニカル分析②:RSI(Relative Strength Index)
RSIは日本語に訳すと相対力指数と呼ばれ、簡単に言うと相場の「買われすぎ」、「売られすぎ」をパーセンテージで示したテクニカル指標である。図2の下の緑線がRSI(14日)を表している。RSIのグラフの縦軸に0, 25, 50, 75, 100の指標が記載されており、これは買われすぎ、売られすぎの水準(%)を表している。0%に近いほど「売られすぎ」、100%に近いほど「買われすぎ」の状態だ。

RSIの見方としては、25%以下で反転したとき(下降→上昇)は”買い”のサイン(赤丸)であり、75%以上で反転したとき(上昇→下降)が”売り”(青丸)のサインとなる。実際の相場推移とRSIを比較してみると、25%以下で反転した赤丸では、相場は上昇している。一方で、75%以上で反転した青丸では、相場が下降していることが読み取れるはずだ。

よく見てみると、一番右の青丸では顕著に下がっておらず、このようにシグナル通りに相場が動かないときをダマシと呼ぶ。テクニカル分析においては、必ずしもシグナル通りに動くとは限らないので要注意じゃ。
おすすめテクニカル分析③:MACD(Motion Average Convergence/Divergence Trading Method)
やたら英語が長すぎて難しそうだがこの分析手法も至って簡単じゃぞ。多くの投資家はマックディー(MACD)と呼んでいる。後程画像でも見せるが、MACDは最初に紹介した移動平均線とグラフが非常によく似ている。なぜなら、MACDは移動平均線を使った分析を発展させた分析手法であるからなのじゃ。鬼滅の刃でいうと日の呼吸(移動平均線)から派生した水の呼吸(MACD)みたいなもんじゃな。MACDで使われるのは指標平滑移動平均線(EMA)というもので、短期EMAと中期EMAの平均値を用いて分析を行う。図3をもとに具体的に見てみよう。

MACDによる売買シグナルは図3の赤丸と青丸を見ていただきたい。画像下部に赤い線(MACD)とピンク線(シグナル)がある。基本的には赤い線(MACD)がピンク線(シグナル)をゼロより下を推移しているときに上へ突き抜けた際は買いのサイン(赤い丸)、赤い線(MACD)がピンク線(シグナル)をゼロより上を推移しているときに下へ突き抜けた際は売りのサインとなる(青い丸)。

補足じゃが、MACDにおける各指標について一般的にはシグナルは”9”、短期EMAは”12”、中期EMAは”26”で設定することが多い。おそらく規定値として上記の数値に設定されているかと思うぞ。
また、MACDのゼロ付近はレジスタンスやサポートとしての機能も持っておるため、ゼロより上で推移しているときは強気相場、一方でゼロより下で推移しているときは弱気相場であると言えよう。
画像からもわかる通り、相場があまり動かないもみ合い相場にある時、MACDの2本の線は重なり合いよくわからない状態にある。こういった相場では、MACDのみでは売り買いの判断がつかないので注意してもらいたい。MACDの効果が最大限発揮されるのは、相場が大きく動くトレンド発生時なので、RSIなどのオシレーター系の指標と併用するとより相場が見えてくるだろう。
おすすめテクニカル分析④:一目均衡表
ここから少し難易度が上がるぞ。ただ難易度が上がるからこそ、周りより精確な相場予測ができる引き出しが増えることになるので、ここは気を引き締めて頑張ろう!ワシもできるだけわかりやすく説明するからついてきてくれたまえ!
一目均衡表はローソク足と5本の線からなる非常に複雑な指標である。画面が線だらけになって最初はよくわからないかもしれないので、ここはじっくり理解しながら読み進めてもらいたい。細かな説明は省くが、一目均衡表の考え方としては、「買い方」もしくは「売り方」どちらか一方の均衡が崩れた方へ相場が動くという考えに基づいた分析手法であり、価格の動きよりも時間の概念を重視した手法である(考えた人天才。しかも考えたの日本人!)。論より証拠。一旦、一目均衡表を用いた相場を見てみよう。

まずは画像左上を見てほしい。緑色が転換線、赤色が基準線、紫色が先行線1,2、橙色の遅行線の5種類の線があるじゃろう。それぞれが意味を持つ重要な指標なので、一つずつ説明しよう。
まず、転換線(緑線)と基準線(赤線)を見てもらいたい。基本的に、転換線(緑線)が基準線(赤線)を下から上へ突き抜けた時が買いのサイン、逆に転換線(緑線)が基準線(赤線)を上から下へ突き抜けた時が買いのサインとなる。ここまでは、移動平均線のゴールデンクロスや、デッドクロスと似ておるな。
次は先行線(紫色)2本から成る白い雲のようなものに注目してほしい。これは2つの曲線の間を白く塗りつぶしており、見た目の通り「雲」と呼ぶ。この雲は相場のサポートおよびレジスタンスとして働く。つまり、雲の上を相場が推移している時はこれ以上相場は下がらないですよ。というサポートとして働き、雲の下を相場が推移しているときはこれ以上相場は上がらないですよ。というレジスタンスとして働いているというわけだ。また雲が厚いほどその効力は高まる。画像左側では分厚い大きな雲が発生しており、相場は上昇局面であることが見て取れる(相場もしっかり上昇し続けている)。
一方で雲が薄い箇所もあるだろう。これはサポートやレジスタンスの効力が薄まり、相場が反転しやすい状況にあることを示している。特に相場が雲の中を推移しているところから、雲の外へ抜けた場合は、抜けた方へトレンドが加速しやすい傾向が強い。そういった指標が出た際は儲かるチャンスなので絶対見逃さないようにしよう!
最後に橙色の遅行線について説明しよう。遅行線はその名の通り、相場から遅れて移動している。遅行線の見方は非常に簡易的で、遅行線が相場をクロスした際に、大きくトレンドが発生する傾向が強い。つまり、遅行線が相場を下から上へクロスしたときは買いのサイン、上から下へ突き抜けた際は売りのサインとなる。

このように、一目均衡表は一つの指標で複数の情報を読み取れるので非常に効果的だ。やや複雑ではあるが、これでお金を稼げるのであればコスパは非常に良いだろう。是非習得して欲しいところだ。
おすすめテクニカル分析⑤:ボリンジャーバンド
ようやく最後のテクニカル分析までたどり着いたようじゃのう。この最後の武器を手に入れられれば、おおよその相場は把握できることになる。ワシがおすすめする5つの分析をマスターしただけでは、まだ投資の道を究めたことにならないが、一人前の投資家に近づいていることは確実だ!では、最後の手法、ボリンジャーバンドについて説明しよう。
相場の推移を詳細に理解するには統計学の知識が必要不可欠だ。ただ、世の中の天才たちが凡人でも理解できるように作ったのが、このボリンジャーバンド(考案した人の名前がボリンジャーさん。)。この指標を簡単に説明すると、●%の確率でこれくらいまで相場が動きますよ、というのを表してくれる分析手法だ。今までの手法では確率は登場せず、傾向として上がりやすい、下がりやすいくらいしかわからなかったが、ボリンジャーバンドは傾向の確率まで出せるというのだ(ボリンジャーさんすごすぎじゃろ!)。では、早速ボリンジャーバンドを見てみよう。

緑線(中心線)が1本、そこから橙線、紫線、赤線が2本ずつあるのがわかるかのう。この線の内訳をみてみると、橙線は-1σ~+1σ、紫線は-2σ~+2σ、赤線は-3σ~+3σと書かれている。数学があまり得意ではない人は馴染みがないかもしれないが、σはシグマと呼び、統計学では標準偏差を指す。学生時代は偏差値という名でよく耳にしたかもしれないが、偏差値を算出する上で必要になるのがこの標準偏差(σ)だ。偏差値は頭の良さを示す指標ではなく、標準からどれだけ離れているかを示す指標である(つまり、統計学上で学力偏差値が高い人、低い人は標準から大きく外れた人という認識となる。)。このボリンジャーバンドも同様で、緑色の標準線からどれだけ離れているかを、それぞれの線が表しており、その線の中に収まる確率も同時に知ることができる。具体的な確率は以下の通りだ。
- -1σ~+1σ(橙線):68.3%
- -2σ~+2σ(紫線):95.5%
- -3σ~+3σ(赤線):99.7%
つまり、68.3%の確率で橙線の中で相場は推移し、赤線に至っては99.7%の確率で相場がこの範囲内で収まることがわかるのである。実際にボリンジャーバンドを見てみると、ほぼすべての時間帯で赤線にとどまっているのがわかるだろう。このように、相場感の具体的な確率を知ることができるので、自信をもって取引を進めることができるようになるのがボリンジャーバンドの強みだ。
番外編:複数のテクニカル分析を掛け合わせて勝率を高める
これまでに5つの使えるテクニカル分析を紹介した。それぞれの指標には性格があり、どれも万全ではないが相場の大体の動きはわかるようになる優れモノばかりじゃ。ただ、この記事を読んでいるあなたにはもう1ステップ上の段階へ進んでいただきたい。
何をするかというと、今学習したテクニカル分析を複数掛け合わせるということじゃ。それぞれ長短があるわけじゃから、それを補うように複数のテクニカル分析を用いて、ダマシ相場を見切ってほしい。今回は、移動平均線とRSIを組み合わせた相場を例として見てみよう。

図3を見るとわかる通り、各指標で買いシグナルと売りシグナルのタイミングが異なるケースが多い。各指標にはそれぞれ特徴があるのですべてのシグナルが完全に一致することはほぼないのである。一方で、同じタイミングで同じシグナルが出ることもしばしばだ。図3を見てみるとシグナルが一致するタイミングが3回存在する。各指標ではダマシが多くみられたが、二つの指標を組み合わせることで予測の精度がぐっと上がっている(図3の期間では3/3の確率で相場の推移が当てはまっている)。
つまり、複数のテクニカル分析を用いることでより予測の精度が高まり、勝率も上がることになる。これでテクニカル分析の重要性もお判りいただけただろうか。今回は数多のテクニカル分析の中から初心者でも使える有益な分析手法5つを紹介した。興味がわいた人は自分で調べてみるのも良いだろう。最後に、この記事だけではよくわからなかった方や、もっと丁寧に教えてほしいという方はゴリラ取締役のライン友達追加すれば連絡ができるぞ。無料でコンサルティングを実施しているので気軽にクリックしてもらえればと思う。ではまた。
口座をまだ開設していない方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

長年投資を続けているワシでさえ、テクニカルチャートがなければ今後どのように推移するかは予測できない。「テクニカル分析」とは別に「ファンダメンタル分析」もあるが、初心者はテクニカル分析から入る方がベターじゃろう。今回は、テクニカル分析を駆使し、勝ちまくっているワシがおすすめする分析手法を紹介するぞ!